- グーグルは、AIやチャットボットの普及が進む中で、検索トラフィックの減少による収益減少のリスクを抱えています。
- OpenAIのSearchGPTがGoogle検索にとって大きな脅威となり、グーグルのビジネスモデルに影響を与える可能性があります。
- SearchGPTや独占禁止法の判決がアルファベットに与える影響を注視する必要があります。
グーグル vs AIチャットボット
アルファベットは、これからの人工知能(AI)とチャットボットの人気が高まる中で、大きな損失を受ける可能性があります。
グーグルは、ユーザーに役立つ検索結果を提供することで大きなビジネスを築き、成長を支えています。同社の検索エンジンは、ビジネスの成功に非常に重要です。企業は、検索結果で上位に表示されるために、検索エンジン最適化の専門家を雇うことが一般的です。上位に表示されることで、ビジネスが得られるトラフィックと収益に大きな違いが生まれます。
しかし、AIを活用したチャットボットは、このビジネスモデルに大きな影響を与えるかもしれません。たとえば、ユーザーがグーグル検索を使わず、パーソナルアシスタントやチャットボットに質問するだけで済むようになると、グーグルの検索エンジンへのトラフィックが減少する可能性があります。
テクノロジー企業は、今後の成長を見据えて独自のチャットボット開発に投資しています。その中でも、OpenAIのChatGPTが特に人気です。そして、OpenAIは最近、新しい製品であるSearchGPTをリリースする計画を発表しました。これは、グーグル検索にとって大きな脅威になる可能性があります。
SearchGPTとは?
OpenAIは7月に、チャットボットChatGPTと同様に、AIを使ってユーザーが探しているものを見つけるのを支援するSearchGPTをテストしていると発表しました。SearchGPTは、インターネット上の最新情報を収集し、根拠となるリンクを提示することで、ユーザーに正確で迅速な情報を提供します。これにより、特に時事的なニュースやトレンドに敏感なユーザーにとって大きな利点となります。
同社によれば、SearchGPTは「当社のAIモデルの強みとWebからの情報を組み合わせて、明確で関連性の高い情報源から迅速かつタイムリーな回答を提供します」とのことです。
※現在はテストモードであり、一般向けに完全に利用可能になる時期は未定です。
Google検索の現在のシェアとSearchGPTによるリスク
StatCounterのデータによると、2024年7月時点で、グーグルは依然として世界の検索市場で圧倒的な支配力を誇り、すべてのプラットフォームにおける検索シェアの91%を保持しています。1年前は92%でしたが、このわずかな減少は主にデスクトップユーザーによるもので、過去1年間で市場シェアが83%から80%に低下しました。モバイルデバイスでは、過去12か月間で市場シェアが95%とほとんど変わっていません。
このように、グーグルは現在も高い市場シェアを確保しています。しかし、SearchGPTの登場により、今後その収益に大きな影響が出る可能性があります。アルファベットが6月に終了した直近の四半期で生み出した約850億ドルの収益のうち、約490億ドルは「Google Search & Other」部門からのものでした。Google NetworkとYouTubeの広告を含めると、この期間のグーグルの広告収益は合計646億ドルに達します。
Google検索に依存する広告収益は、同社のビジネスモデルにとって非常に重要です。しかし、SearchGPTなどの競合が市場に登場し、さらに検索に関する独占禁止法の判決が事業運営に影響を与える場合、Google検索に流入するWebトラフィックが減少し、グーグルの収益に大きな打撃を与える可能性があります。
このように、グーグルが現在の市場シェアを維持していても、新たな競合や法的な変化によって収益が脅かされるリスクは現実のものとなりつつあります。
グーグルは独自のチャットボットGeminiの開発に取り組んでおり、その成功が最新の脅威をどれほど効果的に防げるかを決定づけるかもしれません。いずれにしても今後の技術動向に注目していく必要がありそうです。知らんけど。
コメント